今朝は、元サッカー日本代表の宮本恒靖さんが発起人となり立ち上がった団体、【NPO法人Little Bridge】の取り組みに注目します。
Little Bridgeの主な活動拠点は、南東ヨーロッパ・バルカン半島にある国、ボスニア・ヘルツェゴビナです。スポーツが持つチカラで 社会課題を解決したい。この想いから、現地で子どもたちを対象としたスポーツクラブを運営しています。詳しいお話を 代表理事、樋口昌平さんに伺いました。
1990年代に民族紛争のあったボスニア・ヘルツェゴビナという国で民族に関係なく子どもたちが一緒に活動ができるスポーツアカデミーを運営しているのが1番大きなミッションですね。1995年に終戦のための合意がされたのですが、その時から国の体制も8カ月ごとにボスニア系・クロアチア系・セルビア系という大きな三民族で輪番制を敷いているんですね。要は、その大きな3つの民族でバランスを保ちながら国が動いているんですけれども、子どもたちが通っているスポーツクラブや学校も、大体その民族ごとに分かれているのが普通であって、、、対立感情が減っていくには相当の時間もかかるんですけど、小さな頃からその違いを尊重するっていう環境が普通であれば、大人になってもそれは普通なんだろうなと思っていて。小さな頃から、一緒にスポーツを通してプレイすることで、そういった対立感情は、芽生えないんじゃないかと思っています。
90年代に起こってしまった内戦...。終結後30年が経とうとする今もなお、民族間の交流が断絶されている街も珍しくないといいます。その現状を変えるためスタートした、スポーツを通した交流支援。現地の言葉で団体名Little Bridgeを指す「mali most(マリモスト)」というスポーツクラブの運営を通し、子どもたち、その保護者世代を繋ぐ架け橋として、活動を続けています。
アンダー9、10歳とか、13歳以下の子とか、女子の子とかっていう形でクラス分けをしていて。で、親御さんたちは送り迎えをするのでその子どもたちの活動の送迎で、違う民族の親御さんたちも時間とともに、例えば一緒にコーヒーを飲んだりするっていう機会が持てたりしてる感じですかね。それこそ、紛争から20何年経っているんですけど「20年ぶりにクロアチアの人と喋った」とか、そういった親御さんが出てきたりはしていますね。実際には、そもそも僕らのアカデミーに来てくれてる子どもたちの親は、「いつまでも憎しみあっていてもしょうがないじゃないか」って思ってる親御さんで、そうじゃない方々がいっぱいいるのも事実であって。割合的にはもしかしたら僕らのアカデミーに通ってきてくれているような考えの大人の方が少ないのかもしれないんですけど。僕らがやってる活動っていうのは決して大きな活動ではないですけど、そうやって小さな活動で種をまいて、続けていくことで、その種が芽吹いて、実になっていって、また次の種ができてっていうことが継続できていけば、1歩良い世界に繋がるんじゃないかなと思います。
「同じボールを追いかけることで、言葉も、年齢も、宗教観も、そして民族間の違いすら 超えることができる。」そんな経験をした宮本さんを始めとするLittle Bridgeの皆さん、今日もスポーツのチカラを信じて、活動を続けます。団体では、この活動に賛同してくれる仲間を募っています。
詳しくはLittle Bridgeオフィシャルサイトをご覧ください。