去年10月。文部科学省が集計した小中学生の不登校数が公表され、小学生がおよそ8万人、中学生が16万人で、いずれも過去最多だったことが話題となりました。*中学生は、20人に1人は「不登校」という選択をしている計算です。学校に行かない。この選択をした子どもたちが自分らしく学び、育つことができるよう当事者と、周りの大人の皆さんをサポートするのが今朝注目する団体【NPO法人 多様な学びプロジェクト】です。

代表の生駒知里さんは、ご自身のお子さんが学校に行かないという選択をしたとき、「親子で社会から孤立してしまった」、という感覚に陥ったといいます。そしてこの孤独感は、自分たちだけが抱いていたわけではないと知ります。「同じように悩む親子に、有益な情報を届けたい。」そう考えた生駒さんは 安心して立ち寄ることができる地域の居場所『街のとまり木』を街中に増やし、全国へ発信する活動を始めました。

これは本当にちょっとメタファーっていうか、比喩みたいな感じなんけれど、鳥がとまり木を選ぶように、あの子どもたちも自分の学ぶところだったりとか、生活する場っていうのを自由に選んでいいんじゃないですか。っていう意味合いと、あとは、そっと休みたい子は、まずちょっと、そっと休める場所が必要ですよね。っていう2つの意味合いをかけて、街のとまり木っていう風に呼んでます。こういった学校外で育つ子どもたちが立ち寄れる場所だったり、居場所だったりにとまり木のマークのステッカーを貼っていただいて、webサイトとかで紹介する活動なんですけれど、登録してくださってるところは様々で、児童館や午前中空いてるからっていうことで工作クラブだったりとか、アトリエ教室やプログラミング教室だったりとか、お寺さんとかも登録してくださってます。

多様な学びプロジェクトのウェブサイトには、日本全国・464件の『街のとまり木』が登録されています。さらに去年には、団体がある川崎の『とまり木』を集めた冊子を作成。学校や図書館などで配布がスタートしました。街のとまり木を知った親子からは「安心した」という声や、就学前のお子さんを持つ親からは「先に とまり木の存在を知ったことで、子育ての不安が和らいだ」といった声が届いたといいます。

どういう風に届けられる、とか、どういう気持ちを持ってもらえるかなってすごく大切にしたくて、「可哀想な子を助けてあげたい」みたいな感じではなくて、その子たちにもちゃんと素敵な個性だったりとか、能力だったりとか、いっぱい詰まってるじゃないですか。だから、それを一緒に応援するとか、味方がいるよっていう感じの届け方ができたらいいな、ていう風に思って作ったんですよね。あと、親御さんたちにも、やっぱり悩んでいるのは1人じゃない。あなた1人じゃないんで、一緒に仲間がいますよっていう風に伝えられたらいいなっていう風にも思ってます。まずは、子どもたちへの理解を示してもらえるのが一番嬉しいなって思います。

生駒さん。「ゆっくり、自分らしく生きる選択をした子どもたちは社会から外れたわけではありません。子どもたちに寄り添い、彼らの今を見つめてあげてほしいんです。」...ともお話されていました。

NPO法人 多様な学びプロジェクト】がまとめた『街のとまり木』。団体のサイトで確認ができます。また、新たに『街のとまり木』となってくれる場所も受付中です。