今朝は、認定NPO法人3keysの活動に注目します。子どもたちの生活を多角的に支援する3keys。児童養護施設の子どもたちが学習に使う教材を独自に製作。子どもたちに届ける活動を続けています。貧困、虐待、ネグレクト...。さまざまな理由から施設で生活を送る子どもたちのなかには、市販の教材や学校の授業についていくことが難しい。勉強が苦手。...こうした悩みを抱えるケース、決して少なくないといいます。

その課題を解決するための Keysオリジナル教材。団体の代表理事、森山誉恵さんに詳しくお聞きしました。

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もともとは学習塾と連携したり市販で販売している教材を研究して学習基盤がない子どもたちでも容易に取り組みやすい教材を組み合わせてやってきているんですが、世の中にあるものは"小学校高学年で幼児教材を取り組む前提"で作られた教材はほとんどありませんが、私たちが教えなきゃいけない子どもたちはまさに隙間にいる子どもたち。「1~5の概念は理解できている前提」で作られていたりと、いろんな部分で私たちが支援をしている子どもたちにはつまずきポイントが沢山散りばめられている。もともと学習が苦手な子どもたちにとっては1つや2つそういうつまずきポイントがあるだけで勉強が止まってしまうケースもあって...。そういった子どもたちが特につまずきやすい部分を私たちなりにこれまでも作ってきたというところが背景にあります。

遊びのなかで養われる学習の基礎...その経験がなかった子どもたちは、数の概念がないまま育ち、数字をただの記号として認識していることも。そこで3Keysの教材では、「丸が4つ並んでいる=これが4」と幼児期に学ぶことができる基礎をあえて 何ページに渡って掲載するスタイルをはじめました。基礎が理解できると、勉強への理解も進む。結果的に、勉強が好きになって、周りの子たちと同じ、または それ以上にチカラをつけることもあるといいます。そしてこの取組。「子どもたちを前向きにできる取り組みなんです」と、森山さんは語ります。

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うちの学習支援を受けて中学生になった子が小さい子に「今のうちにそれちゃんとやっておいた方がいいよ」とか言っている風景は微笑ましいんです。私がすごく嬉しかったのは「自分は勉強ができない、頭が悪い人だと思っていたけど、実は引き算の"ここ"が理解できていなかったということがわかった」といった女の子がいたんですが、殆どの子は学校で『他の子は当たり前にできるのに自分は全然意味がわからない』『あの子達は頭がいい、自分はできない』と思い込まされていることが多い。すると、やっても無駄、できないと勘違いしてしまう。そうではなく「自分はここにつまずいていた」「自分はここがクリアできれば次に進めるんだ」と正しく(自分を)理解して前に進んでもらえるといいなと思っていますね。

Keysが展開する児童養護施設に向けたオリジナル教材。新たな取り組みとして、英語と国語の音声教材の開発がスタートしています。その支援をクラウドファンディングで募っています。

市販教材でつまずく子ども達にオリジナル教材開発・学習支援を2022詳しくは団体のサイトをチェックしてください。

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認定NPO法人3keys