今朝は、福井県鯖江市の企業「エクネス株式会社」が日本で初めて導入した 福利厚生に注目します。コンサルティングサービスや、廃棄される前の規格外野菜を買取、個人宅へ定期配達する フードロス事業を軸に活動するエクネス株式会社。

エクネスで働く社員の皆さんや関わりのある企業・団体に、環境を より意識してもらうために、何かできないか。そこで考え出された福利厚生が、「エシカル手当」。これは、古着やフェアトレードブランドの洋服を購入。またはクリーニング、リペアに充てた金額のうち、5000円までを福利厚生で まかなうことができる仕組み。しかも、本人はもちろん、ご家族も利用OK。...今あるものを、みんなで長く使い続けよう。そんなメッセージが込められているといいます。エクネス株式会社、代表の平井康之さんに詳しいお話を伺いました。

そんな少ない出府でもないので大きな決断の一つではあるんですけれども、一律で手当を配るのと、エシカル手当としてかかるのでは意味合いと大きく違うと思っていまして。やはり従業員さんに対する還元みたいな意味合いも含まれてるんですけども、一方で消費を少しエシカルな意識を持ってもらえたらなお嬉しいなっていうのでやっております。本人がなかなかそういうのがちょっと苦手という場合は家族の方でも。家族の方にも意識は持っていただける。「こういうことやってる会社にも勤めてるのか」ってご両親に言っているだけれども、それも嬉しい一つだなと思いますし、例えば子どもの洋服を買うことで、子どもさんに環境に意識を持っていただけると。最近学校でもSDGsの勉強とかも、小学校とかでもやってるみたいですけどもそういったことをちょっとリンクしながら「会社でもこういうことやってるんだ。お父さんの会社はお母さんの会社やってるんだ」っていうと子どもが思ってもらえたり、すると嬉しいなと思いますね。

エシカル手当ひとつで 環境への配慮のほか、(持続可能な社会の実現を目指すために設けられた)SDG'sの「つくる責任/つかう責任」。そして「働きがいも経済成長も」というゴールにも結びつく。今年の5月から導入し、およそ半数の社員が利用しているといいます。*消費行動を意識的に変える。これが意外と難しい。 平井社長。消費は個々人の自由なので と前置きがありつつ 「せっかく取り入れたので、本当はもっと使ってほしい!(笑)」とも。また、この「エシカル」というキーワードの元、ひとつでも多くの企業で、今できることを考えて一緒に実行してほしい。そんな想いも取材のなかでお話されていました。

SDGsってのもあると思うんですけれども、これはやっぱりどこかの企業とかどこかの団体とかどこかの役所がやればいいとかそういう話ではなくて、日本・世界で取り組まないといけない喫緊の課題だと認識しています。我々だけがやるんじゃなくてそれをもっと外に広げていく、例えば「エシカル手当っていうのがあるよ。」それで環境のことに興味を持つ人が1人でも多く増えたり、またはそのエシカル手当自体を、弊社だけじゃなくて、世の中の会社がこういう手当をどんどん取り入れていってほしいとか、それはきっかけの一つでしかないと思うんですけども、手当じゃなくても、意識を持ってくれる人が一人でも多く増えることを期待しています。新しいこととかをやってみたり、習慣を変えるっていうのはハードルが低くないケースもいろいろあると思うんですけどもその中で、やってみる!先にやってみる!っていうことが大事じゃないかなと思っています。

今後は反響次第で、エシカル手当に関する団体を設立して人にも地球にも優しい消費をみんなで考えていきたい、という平井社長。コメントにあったSDG's。2015年9月25日の国連サミットで採択され、今年でゴールまで8年。(15分の7。半分の日数が経過しようとしています...。)いまの僕たちにできること。何があるでしょう...?何かのヒントになるかもしれません。

20220916k01.png