この時間は、宮城県を中心に東北で震災の伝承事業を支援する団体【公益社団法人3.11みらいサポート】の活動に注目します。

震災後、その町並み、生活は大きく変わってしまいました。ここには、何があったのか。どんな場所だったのか。誰が暮らしていたのか。その後、震災で失われたもの。そして震災から受け取ったものを語り継ぐ「語り部」の活動が自然発生的にスタートしました。

この語り部のみなさんが活躍できる場作りを、団体では11年にわたって、続けています。

震災後、最大被災地の石巻市のNPONGOの災害支援の調整の場作りの団体として発足。震災支援をおこなうボランティアの方に地域の方が「こんな場所だった」と説明する活動が2011年からスタートしていたが、その後伝承だけを聞きに来る人が増え、そのなかで震災伝承の工夫を始め、震災伝承活動の支援をはじめました。災害は自分ごとには思えないかもしれません。こちらの語り部さんも阪神淡路大震災のときは「TVの中の出来事だと思った」とおっしゃる方もいます。人から人へ共感を持って伝えることで、震災は自分にも起こりうるものだとより伝わると考えています。

お話は、公益社団法人3.11みらいサポートの専務理事、中川政治さんです。現地を訪ねて、街を歩きながら、当時のお話を聴く「語り部事業」。コロナ禍の今は「オンライン語り部」を展開し昨年度には全国100の学校、1万名もの学生の皆さんに震災の教訓を発信しました。思えば、小学生の皆さんの大半は、震災発生後に生まれています。地元の子どもたちの多くは、震災を経験していません。現地の子どもたちへ、今と昔の町並みを比べてそこにはどんなお店があったのか。どんな人が暮らしていたのか。ITを活用した発信も今、動き出しています。

震災発生から11年。この取り組みの先、中川さんが見つめるのは、どんな未来でしょう?

私達は「つなぐ 3.11の学びを生きるチカラへ」と、東日本大震災の学びを生きるチカラにしようと活動する団体です。震災ではたくさんの方が亡くなってしまったり、大切なものを失いましたが、実はたくさんの守れた命もあったと思っています。声を掛け合う、地震に備えることが命を守ることになる。あの震災から学んでいただいて、大切な命を守る、そのチカラを発揮できる未来につなげたい。それを知るために東北を訪問したり、オンラインで聴いてみるなど、東北へ感心を持っていただければと思います。

多くのものが失われましたが、守れた命もあった...語り部の皆さんの生きた声を、聴いてみませんか?そして、今ある命を守る行動を、学びませんか?詳しくは団体のサイトをチェックしてください。

公益社団法人3.11みらいサポート