今朝は、子育て中のお母さん、お父さんに向けてメールやラインを通して支援をおこなう「NPO法人きずなメール・プロジェクト」の、大島由起雄さんをお迎えしました。
Q まずは、団体の活動について、教えてください。
「きずなメール・プロジェクト」は信頼できる良質な原稿とメールやコミュニケーションツールのLINEを組み合わせて、子育てにかかわる人々を支えていこうというNPOです。原稿によって「家庭内での孤立」「地域からの孤立」というふたつ孤独な子育てを予防します。
Q 団体が問題視されている孤独の「孤」を当て字にした「孤育て」とは?
夫や家族からの育児の協力が得られず、近くに助けてもらえる人もいない中で子育てをしている状態のことです。核家族化や、インターネットの普及による疎外感などが背景にあります。
出産後の女性の10人に1人がかかる可能性があるといわれる産後うつや、0歳児に最も多い虐待死の陰には孤独な子育てがあるとの指摘もあります。
Q きずなメール、どういった仕組みで情報が発信されているのでしょうか?
妊婦さんは「出産予定日」を、出産後は赤ちゃんの誕生日を登録すると、登録した方の妊娠週日数やお子さんの月齢にあったタイムリーな原稿が3歳誕生日まで継続的に届きます。
妊娠出産を迎えるご夫婦やそのご家族に、その時その時にに必要な内容を必要最小限に編集して継続的に送ることで、地域の子育て支援施設や相談窓口を知ってもらったり、夫婦の会話のきっかけになることを目指しています。こうした小さなことの積み重ねで、孤独な子育てになることを防ぎたいと考えています。
Q 例えば、どのような情報が届くのでしょうか?
- マタニティきずなメール
⇒妊娠中の女性、パートナーへ送られる1日1通メール。
お腹の赤ちゃんの様子や妊娠生活のアドバイスが届きます。例えば、「この時期のお腹の赤ちゃんの大きさは、パートナーの手の平を合わせていたくらいです」といった原稿にすることで、読んでいるお母さんが、「あなた、やってみて」といったアクションにつながったり。「この時期のお腹の赤ちゃんは外の音が聞こえています」とか。
- 子育てきずなメール
⇒0~2歳児の母親・父親へ送られるメール。
育児アドバイス、ホームケア、事故予防、産後のメンタルヘルスなど例えば、法律で決まっている予防接種は生後2ヶ月からなので、「生後2か月の誕生日が来たらワクチンデビューできるよう、早めに予約しましょう」「そろそろ離乳食の時期です」といった内容です。
自治体、医療機関などと連携し、連携先の情報やメッセージも組み入れて、メールやLINEによって配信されるのが大きな特徴です。(配信する基本原稿は、専門家の監修を経て制作されたもの。)
Q さらに、日本語が読めない方への配信もされている?
はい、もともと多言語化を目指していて、昨年の夏に、マタニティきずなメールの英語版の配信をはじめました。
Q 反響はいかがでしょうか?
これまでに実施した読者アンケートでは、満足度と、届いたら必ず読む人の割合が平均して9割以上で、読者と強いきずなができていると感じています。また自由回答に記入する割合も高く、こうした子育て世代の生の声をサービスや政策に反映することで、きずなメールを通した好循環を創り出します。
~より詳しい情報、そしてサービスの窓口となるウェブサイトをぜひチェックをお願いします。