今朝は、アメリカで滞在資格のない移民の一斉摘発に対しての締めつけが拡がり、抗議デモがロサンゼルスのダウンタウンで行われました。アメリカは合衆国で州の自治によって成り立っていますが、権限を持つ州知事を飛び越えてトランプ大統領が軍の兵力の派遣をしたことへの反発が事態を大きくしています。

ここではアメリカ・ロサンゼルス在住の番組通信員手島里華さんにお話をお伺いします。手島さん、おはようございます。

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Q  現地メディアでは「ICE protest」と言われる、不法移民に対する警察などへの抗議デモですが。そもそもICEという組織からおさらいしたいと思います。

A   ICEとはアメリカのImmigration and Customs Enforcement's「移民関税執行局」で、もともとアメリカ国内の多国籍組織及び外国人の犯罪およびテロ行為を調査することを目的としたアメリカ合衆国連邦政府の国土安全保障省に属する機関です。ICEによる摘発、先週末が今回の騒動の発端となっています。

Q  州兵や海兵隊が、トランプ大統領によって派遣された意味については

A 不法移民に対する締めつけは大統領が就任直後から進めてきていて、ビザ取得までの間に滞在する外国人をはじめとして、労働力として持ちつ持たれつの関係でもある犯罪に関わらない市民まで不安な気持ちで過ごしています。日本領事館から滞在する日本人だけでなく、観光客も含めた注意喚起が出ています。

Q テレビではロサンゼルスのダウンタウンの様子が出ていますが

A  市庁舎があるダウンタウンはリトル東京がありドジャースタジアムに隣接しています。今は夜間外出禁止令の2日めが明けた時間ですが、リトル東京図書館に聞いたところ、日中は行進ですが、夜になると爆竹を投げたり略奪などのバイオレンスが増す行動があるので、早めに家に帰るようにしているそうです。夜間外出禁止令は当面夜8時~午前6時の間、ダウンタウンロサンゼルスを中心に1平方マイルのエリアに出ていますが、中心部以外でも夜になると家の外をプロテストたちが行進して、爆竹を投げまくっていて怖かった、飼っている犬が不安がって落ち着かなかったと、普段は静かな街に住む友人が言っていました。

Q この抗議活動は今後も広がりそうでしょうね

A  夜間外出禁止令2日目で、禁止令が出ているダウンタウンLAはパトカーがまわって落ち着いています。ダウンタウンから車で南東に20分くらいの場所にあるDowneyという街の中継を今していますが、ここでは外出禁止令が出ていないので、クラクションを鳴らしまくった車が何台も大通りを暴走したり、『ICE』の看板を持った若者などでごった返しています。兵士が派遣されたのはLAですがデモは全米各地に飛び火し今後もICEの対応次第で抗議活動が激化する可能性があります。滞在許可をとるべき、という正論がある反面彼らに支えられているという部分も大きいのは事実ですよね