「世界でワイン離れ進む」(日本経済新聞)

 国際ブドウ・ワイン機構(OIV)が発表した報告書によると、2024年の全世界のワイン生産と消費量はいずれも1961年以来、63年ぶりの低水準となりました。気候変動の影響で生産が減少しているだけでなく、インフレなども背景に消費者のワイン離れがさらに進んだとのことです。

2024年の全世界のワイン生産量は、2258000万リットルと前年比で4.8%の減少。生産減は2年連続ですが、気候変動の影響は世界の生産地におよびます。アメリカの生産量は前年比で17%減。熱波や在庫削減圧力で、特に西部カリフォルニア州での生産は2004年以来の少なさとなっています。前年比で5%の生産減となった南アフリカは豪雨、強風、洪水などに見舞われました。

全世界の消費量は2142000万リットルと前年比で3.3%減っています。その原因は物流コストの増加でワインの販売価格が上がったことが大きいとされています。そして消費量上位20カ国のうち15カ国が前年比でマイナスとなりました。最大消費国のアメリカ、2位のフランスで落ち込み、中国が前年比19.3%減となった影響があります。

日本の消費量は全世界で16位で、前年比で4.4%減となりました。インフレの影響もあって日本の平均ワイン輸入価格は1リットルあたり6.35ユーロ(およそ1030円)です。これはスイスに次いで2番目に高いとのこと。