「世界で拡がるSNS詐欺」(日本経済新聞)

SNSなどを通じて財産をだまし取る詐欺被害は世界の治安を脅かしています。2024年の日本国内の被害額はおよそ1990億円、前の年の2倍以上で過去最悪となりました、アメリカでは6900億円、イギリスでも2200億円と状況は深刻で、背景には詐欺において最初のコンタクトから、送金までネット上で全てが完結することがあります。

詐欺の手段では国によって違いはあるものの、虚偽広告でだます「SNS型投資詐欺」や恋愛感情につけ込む「SNS型ロマンス詐欺」が目立っています。詐欺グループは著名人になりすましたSNS上のニセ広告やダイレクトメールなどで被害者に接触。「確実に利益が出る」や「会いたいから旅費を送って」などといって、お金インターネットバンキングや暗号資産で振り込ませるというものです。日本はSNSのニセ広告、アメリカは投資話、そしてイギリスではロマンス詐欺が主な手口となっているようです。

専門家は「SNSは社会インフラなので、犯罪ツールとしての利用実態を考えると事業者が果たすべき社会的責任は大きくなっている」そのうえ「削除要請への迅速な対応や、不適切な利用がみられるアカウントの停止などに一層取り組んでもらう必要があり、対策強化を促す法整備も求められるだろう」と指摘しています。