「コーヒー豆の2050年問題」(日本経済新聞)
喫茶店などが使うアラビカ種コーヒー豆の産地が、気温上昇や降雨量の変化で、2050年までに半減すると試算されています。コーヒー豆の生産地は、赤道を挟んで北緯25度~南緯25度の「コーヒーベルト」と呼ばれる地域に集中しています。
温暖で、雨期と乾期がはっきりしている気候が栽培に適していて、なおかつ昼夜の寒暖差が大きいほどおいしく育つとされ、標高が高い場所で栽培されています。豆生産の6割を占めるのがアラビカ種と呼ばれる品種で、香りが高く飲みやすい反面、病害虫や気温の変化に弱いとされています。栽培に適した産地が半減する、ということは、生産効率が向上しない限り生産量が減少に向かうとあって、近年はニューヨーク先物市場での価格高騰が頻発。最大の産地ブラジルで天候不順によって安定供給が難しくなってきていることがその背景にあります。
コーヒー豆の生産国は財政的に苦しい場合が多く、気候変動対策や気温や雨量の変化に耐性がある品種の改良など、生産性向上への投資がなかなかすすみません。そのためには業界全体での支援が必要だとしています。