脱炭素の流れを受けて、世界で地熱発電が盛り上がっています。再生可能エネルギーの中でも、太陽光や風力のように天候に左右されないという安定性が評価され、20年末の発電容量は1400万キロワットを超え、この10年で4割増えました。

また地熱発電用タービンでは日本企業のシェアが6割強に達していて、ビジネスチャンスが拡大しています。東芝は建設中の発電所を含めて、アメリカやケニアなど11カ国でタービンを納入。海外メーカーと比べて出力が低下しづらく、耐久性が高いのが特徴で、低い温度でも発電できる小型地熱発電を商品化するなど、この分野では世界のトップを走っています。

また三菱重工も13カ国にタービンを納入し、自国の電力を全て再生エネルギーでまかなうアイスランドではシェアが55%に達しています。

ただし日本では潜在する資源量が2340万キロワットとされているのに対して、実際の発電導入量は20年時点で55万キロワットにとどまり、10年前からほぼ横ばいのままです。その理由は山間部が多い日本では海外と比べ開発の工事費が膨らみがち。掘削技術や大型重機を持つ企業も限られています。地熱開発は油田と同じで掘ってみないと正確な資源量がわからず、成功率は3割程度といわれているようです。