「アジアの大気汚染が再び深刻に」

新型コロナウイルス対策による経済活動の停滞で、アジアの大気汚染は一部で改善したものの、生産活動が再開したことで、再び悪化しつつあります。タイ北部の観光地のホテルでは、この時期になると広がる煙害のためにわずかな客室しか埋まらない状況です。大気汚染物質「PM2.5」の測定値が、WHO(世界保健機関)が安全とする水準のおよそ40倍になっています。

インドネシアでは農地開発のための焼き畑が続いており、大量の汚染物質が排出されています。ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国のうち7カ国が影響を受け、シンガポールとマレーシアでの被害が最も大きいと指摘しました。

インドのデリー首都圏(首都ニューデリー含む)は、3年連続で世界一大気が汚染された首都になっています。PM2.5の濃度は、新型コロナの感染抑制のためのロックダウンにより前年から15%改善したものの、なお世界で最悪でした。

ベトナムの実質成長率は21年には8.5%で、ASEAN加盟国中のトップになる一方、最近の調査において、環境への最大の懸念として79%が大気汚染をあげています。