「フィンテック活用で振込み手数料引き下げへ」

全国銀行協会はきのう、銀行間で送金しあう際の手数料を10月から一律62円に引き下げると発表しました。金融機関は「全国銀行データ通信システム」を通じて日々お金をやり取りしています。その際にかかる手数料は40年以上にわたって3万円未満で117円、3万円以上で162円に固定されてきました。銀行はこの「原価」に経費や利益を上乗せして振込手数料を決めるため、利用者が支払う、いわゆる「他行宛て」の手数料はさらに高くなります。

これについて公正取引委員会が去年4月に銀行間手数料の現状を問題視する報告書を公表したことで、料金見直しの議論が始まりました。

インターネットバンキング経由の「他行宛て」の振込手数料は現在、送金額に応じて大手行で110~440円程度となっています。既に優良顧客に対して一定の取引まで無料にする例もあり、振込手数料の「原価」である銀行間の手数料が引き下げられれば、利用者が払う手数料も引き下げる競争も加速しそうです。

すでにPayPayや楽天ペイなどのフィンテック勢は、自社アプリの利用者同士でお金のやり取りする場合は無料としています。