「テニスの全豪オープン、現地では賛否両論!?」

先日大坂なおみ選手が女子シングルスで優勝したことで、日本でも大きく報道された、テニスの全豪オープン。コロナ禍で行われた大規模な国際スポーツイベントとしても特に感染対策については、国内外で注目を集めました。

東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて、橋本聖子大会組織委員会会長は大会中の観客数をどうするか、聖火リレーがはじまる来月25日ごろをメドに全体像を示すとしています。

規模は違いますが、大きな国際大会を運営した現地 メルボルンのみなさんの反応はどうだったのでしょうか?今朝はオーストラリア、メルボルンの番組通信員、小林純子さんにお話を伺います。

J.K:去年はコロナウィルスが蔓延する初期段階での大会運営でしたが今年は世界中で猛威をふるう中での開催で、開催自体も延期され、地元ではこうした大会への反対の声などはなかったのでしょうか。

小林: 海外から千二百人以上の全豪オープン出場選手及び関係者がメルボルンに押し寄せてくることに、市民の間では大きな不安がありました。当地では10月の終わりに112日間もの長期ロックダウンからやっと解放されて、 市民の間ではコロナ以前の生活に戻れるかもしれないという期待がありました。去年のロックダウン開け以降、新規感染者数ゼロの日が続き、コロナ感染者自体が存在しなくなりつつあった頃に、海外からこのように多くのテニス関係者が流入してくることは脅威としか感じられませんでした。特に昨年メルボルンでは海外からの帰国者隔離用ホテルで働いていた従業員の数名が帰国者から感染し、大量の市中感染を招いたという痛い経験をしているので、多くの海外からの流入者イコール陽性者増加の可能性大、イコール市中感染の危険性大と感じていたことは確かです。一方で、豪州オープンを開催しないという決定をすることは、テニスの4大大会の一つである豪州オープンの開催権が他国に奪われるという結果を招くとして、大会関係者及び州政府関係者が大会開催へのプレッシャーを掛けていたことは事実です。

J.K:期間中にもメルボルンの帰国者隔離用ホテルでクラスターが発生し、感染が広がったため、2月13日から5日間のロックダウン。こうした厳しい措置を受け容れるのはどうしてでしょうか。またそれに対しての不満などはなかったのでしょうか。

小林:市民としては今回のロックダウンが5日で終わってくれるといいけど・・・という一抹の不安はありました。ただ、今回の5日間ロックダウンについてはイギリスからの異変株への感染者発生に対するサーキット・ブレーカーと称する短期速攻ロックダウン政策に対し、多くの市民が理解を示したからではないでしょうか。やはり、諸外国特にアメリカやイギリスの状況を見るにつけて、いかに当地の状況が恵まれているかを感じているからだと思います。これまでの州政府の対策への市民の一定の評価の表れだと思います。

J.K:大会のチケット発売についてはどのような方法で告知などが行われ、入場できるかどうかわからない状況でも人気イベントだったのでしょうか。

小林:チケットはクレジット会社やチケット業者による先行発売ダイレクト・メール送付のほか、新聞、雑誌、市中のビルボードなどによる宣伝が目につきました。実は自分も大会開始1か月ほど前に観戦チケットを購入していたのですが、残念ながら丁度5日間ロックダウン中と重なってしまい、観戦が叶いませんでした。 今年はメルボルンに住んでいる全豪オープンファンにとってはチケットを比較的容易に購入出来たと思いますが、何事もなく無事に試合が行われるのかという不安もありました。(結局、5日間は無観客となりましたが)コロナの影響でライブでの観戦を避けた方も少なくなかったことと思います。