アメリカのアマゾン・ドット・コムはこのほど、音声番組「ポッドキャスト」の配信大手で、音声ドラマ「ドクター・デス」などの人気作品の制作と配信を手掛けているワンダリーを買収すると発表しました。アマゾンは2020年9月に「アマゾンミュージック」上でポッドキャストの配信を始めたばかりですが、今回の買収にはアップルやソニーも名乗りをあげたとされています。

アメリカでは動画に続く有力コンテンツとなりつつある音声配信をめぐって、プラットフォーマー同士の争奪戦が激しさを増しています。大手スポティファイもポッドキャストを成長戦略の中核に位置づけていて。19年は音声配信関連企業を相次いで傘下に収め、去年11月にはポッドキャスト向けの広告ツールなどを手掛ける会社メガフォンを買収すると発表しました。

こうした音楽配信各社が、音声ドラマやトーク番組などのポッドキャストに力を入れるのは、音楽だけではサービスに違いを出すのが難しくなっているということがあります。動画に次ぐ有力コンテンツとなりつつある音声をめぐって、プラットフォーマー同士の争奪戦が激しさを増しています。

*アメリカのポッドキャストは「ドキュメンタリーもの」が高い人気

今から15年ほど前にスタートしたポッドキャストですが、日本での配信実績は現状ではアメリカのスケールにはおよびません。2019年の「日本の広告費」でネット広告費の総額2兆1048億円のうちデジタル音声広告はおよそ10億円です。

とはいえ市場規模は今後急成長が見込まれ、今後は倍増していき、2025年には400億円を超えるという予測があります。音声コンテンツ全体のパワーが強力になることが期待されます。