「カリフォルニア州でガソリン車販売禁止へ」

カリフォルニア州のニューサム知事は、2035年までに州内で販売される「全ての新車」を排ガスを出さない「ゼロエミッション車」にするよう義務づける、と発表しました。排ガス規制はヨーロッパが進んでいて、欧州連合(EU)は21年に大幅なCO2排出削減を求める新規制を本格導入します。イギリスはガソリン車やディーゼル車の新規販売を35年に禁止すると表明。フランスでも40年までに同様の規制を設ける方針です。厳格な環境規制はヨーロッパが先行してきましたが、自動車各社の戦略見直しが進み、特にアメリカでの販売シェアが大きい日本メーカーにも影響が出ることになりそうです。

カリフォルニアではすでにEV(電気自動車)など排ガスを出さない車について一定比率以上の販売を義務付けています。未達のメーカーは罰金を払うか、目標を超えて達成した企業が持つ「クレジット(排出枠)」を購入する必要があります。

メーカーで最も恩恵を受けるのはテスラで、アメリカの新車市場およそ1700万台のうちEVのシェアは1%強の24万台にすぎないものの、テスラ車が8割のシェアを握り、他社への排出枠販売も群を抜いています。

一方EVを生産していないメーカーへの影響は甚大なのはもちろん、アメリカでの販売展開がEVに対応していない、ハイブリッド車(HV)はゼロエミッション車と見なさない、ゼロエミッション車でも車両価格や水素インフラ整備などで普及に課題が多い燃料電池車(FCV)という事情もあって、今回のカリフォルニア州の決定は世界の自動車産業のありかたを変えるかも知れません。