商品ジャーナリストの北村森さんに、生活経済の観点から解説していただきます。今朝は「バレンタイン・チョコレート事情」についてお話をお伺いします。

J.K. コロナ禍を経て、バレンタイン商戦の加熱は一服した感じもありますが...

北村: 日本生命のアンケート調査によると、今年「プレゼントを渡す予定」という人は35.3%。去年は37.6%だったので減っています。これは物価高と、何よりカカオ豆の高騰によるチョコの価格上昇が影響しているのと思われます。ちなみに「職場の人に渡す」は12.5%で年々減少傾向のようです。ただし買う人はちゃんと買っていて、購入金額は減ってはいないようです。

J.K. バラマキはやめて、物価高でも関係なく消費意欲は高いということですね。

北村: 先ほど触れたカカオショックですが、記録的な不作のためカカオ豆の値段は7年前のなんと5倍となっているもようです。それを受けてなのか、「配偶者やパートナーに渡すプレゼント」の平均金額は3272円で、昨年に比べて「増やす」「変わらない」とした回答が8割だったそう。そのためチョコ以外の原料を商品に多くあしらうなどの工夫を凝らしているとのことです。例えばゴボウなどの代替素材をチョコの代わりに使うという話も聞こえてきます。

J.K. 自分へのご褒美で高級なチョコを買うのはすっかり定着していますね。

北村: 日本のバレンタインデー市場をターゲットに来日する著名なショコラティエはコロナ前に戻ったといえるかも知れません。例えばベルギーのピエール・マルコリーニは10日間で国内7つの大都市を駆け巡り、26回ものサイン会を催していたそうです。日本の市場、決して冷めてはいません。「自分へのプレゼント」を買う人の平均金額は4761円で、去年の同じ調査よりおよそ500円もアップしているんです。

J.K. もらうのはいいのですが、お返しも気になります

北村: アンケートでは、ホワイトデーにもらいたいという平均希望額は3553円。おかえしに期待する金額のほうが高いと、結果に出ている。今日プレゼントをもらったら、3月のおかえしには気をくばらないといけないかも...。