日経BP総合研究所客員研究員の品田英雄さんに、「旧築地市場」の跡地再開発計画について解説していただきます。
J.K.: 再開発の事業予定者の記者会見がありましたね
品田: 11の企業のうち、代表企業の三井不動産と、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社の3社が5月1日に事業計画内容を発表しました。およそ19ヘクタール(東京ドーム4つ分の広さ)の跡地を使った再開発の総事業費は、およそ9000億円。野球やサッカー、ライブなどに利用可能な5万人収容の多目的スタジアムのほか、ホテルやオフィス、住居などが入る複数の高層ビルを建設する予定です。
J.K.: 築地と言えば今もインバウンドで賑わう「食の街」ですよね
品田: インバウンドの観光客だけでなく、地元に変わらず愛される「食の街」にもこだわるようです。築地場外市場に隣接する場所に広場を設置、地域イベントも開催します。
J.K.: 大人数のアクセスや帰途についてはどうなのでしょうか
品田: 現状でも地下鉄築地駅以外に、都営線では東銀座駅や築地市場前駅があり、銀座まで歩けなくはない距離です。また延伸での新駅も予定されています。江戸時代からの「舟運ネットワーク」は浅草、日本橋、浜松町などに直結。将来的には羽田空港方面と結ぶ構想もあります。バスは虎ノ門や六本木などに1本でいけるので、かなりアクセスはよいですね。
J.K.: 野球の東京ドームの移転については何も言及されていないのですが
品田: オフィシャルには発表されていませんが、東京ドームも現在築36年で、このあたりは検討材料になるでしょう。