第一生命経済研究所の藤代宏一さんに 解説していただきます。回線が繋がっています。おはようございます。
藤代:最近話題になっている金、そして銅についてです
J.K.: 「金の買い取り」よく目にする印象ですが、今どんな状況ですか?
藤代: 金の小売価格は1グラム1万3000円程度、最高値で推移しています。金は国際的にドルで取引されます。そもそも金価格が上昇しているところに円安が重なって日本からみた金価格は4年前から倍以上になっています。世界的にインフレ率が高止まりする中、モノ・サービスだけでなく金も上がっています。
J.K.: インフレで金も上がるということですね。銅も高くなっているのですか?
藤代: はい。ここで僕が3年前にこの番組でお話したことを、もう一度お話させてください。その時、10円玉を溶かすと、儲かる未来が来るかもしれないと半分冗談でお伝えしました。10円玉は4.5グラム、その95%が銅でできています。簡略化のため4.5グラム全てが銅であると仮定すると、当時の銅価格は4.5円でした。ところが、現在は銅の国際価格が上昇し、1トンあたり156万円になろうかという勢いです。そこにこの円安です。2日前の時点で10円玉一枚あたり7円まで上がってきました。
J.K.: あと3円上がれば、溶かした方がお得になるってことですね?
藤代: 嘘のような話ですが、起こり得る話だと思います。現実的には、銅価格が上がると、銅を採掘するにあたって、採掘業者の採算が改善することで採掘量が増加しますから、銅が一気に上がることはないのですが、世界的にインフレが長引くと10円玉が10円以上になる可能性は十分にあると思います。10円玉を溶かすのにお金がかかるので、話はそう簡単にいきませんが、銅線のケーブルや水栓の盗難などがニュースになるくらいですから、将来10円玉を10円以上で買い取るビジネスが始まるかもしれません。