航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに「新幹線の今後」というトピックについて解説していただきます。

J.K.: 北陸新幹線の敦賀までの延伸、実際にお乗りになったんですよね。

鳥海: 一番列車に乗り、開業の瞬間に立ち合いました。今のところは、申込はほぼ終わってますが、北陸応援割の旅行などで、福井県まで脚を延ばす人もいて、訪日客だけでなく国内からの観光客も数多く伸びた区間にも訪れています。大型連休まで賑わいは確実(?)

J.K.: 一方静岡県知事辞任にも話題になったリニア新幹線開業延期はどうお考えですか?

鳥海: 2027年度の開業予定、というのは静岡県内の工事の遅れがなくても、途中の山梨県駅なども2027年完成は困難という発表が昨日あり、更に建築業における労働時間の2024年問題などもあって、なかなか厳しい状況にあったと考えられます。静岡工区の工事には10年かかるとも言われており、 JR東海からの正式な開業時期の見通しはありませんが、2034年近くまで伸びてしまう可能性が高いです。

J.K.: そして22年9月に開通した西九州新幹線はどうなのでしょうか。

鳥海: 長崎駅と佐賀県の武雄温泉駅をむすぶ営業区間が日本一短い新幹線、ということなんですが、途中駅の武雄温泉駅での乗り換えは面倒です。それでも一定の経済効果はありますが、爆発的な経済効果にはなっていません。国内の新幹線網をどんどん充実させることも大事ですが、全線開業しないと地元が潤うという構図にはならないかもしれません。