今朝は「お菓子のチェルシーの発売終了」についてお話をお伺いします。

J.K. 静かな人気のロングセラーが発売終了で波紋を呼んでいますね

北村: 明治製菓のチェルシーは1971年に発売され今月末に販売を終了します。実に53年の歴史があります。もともと食品関連は息の長い商品が多いというのが特徴。それでも販売を終える商品は存在するわけです。同じ明治のカール1968年発売、2017年に全国販売を終了しました。ただし愛媛県の工場で製造を続け、昨年はふるさと納税の返礼品として注目されました。このほかにはサクマ式ドロップス、も終売となったわけですが、その理由は、販売減少はもちろん、製造工場の再編による販売終了という決断もあるわけです。チェルシーは販売減少が主な原因とされています。

J.K. いわゆるキャンディについては消費者の嗜好が変わっている気がします。

北村: キャンディが「甘さを楽しむ」ものから、徐々に「食感を楽しむ」へシフトして硬いタイプで舐めるハードキャンディに比べて、グミキャンディなどは若年層にも訴求する形でヒットしました。つまり今後の伸びが期待できるのはグミタイプと、業界各社は見ている様子です。これは、飴のメーカーであるカンロの資料などからも明らかです。またコロナ禍時期に自宅ですごす時間が増えた時期、オフィスで口に入れるような菓子の売上は鈍りました。一方グミキャンディは影響が少なかったとされています。

J.K. とはいえ惜しむ声も耳にしますね

北村: 私の経験で恐縮ですが、とある古い飲食店街が地域の再開発で消滅するとなった時、慌てて取材したことがあります。ただ、消えるとなって慌てるというのはある意味失礼な話で、その時に深く反省したのを覚えています。例えば、地方の鉄道が廃線決定となったら急に注目されるのと似ています。個人的には、気に入っている商品やお店はできるだけ普段からリピートしなければと反省を込めて肝に銘じているんです。

J.K. 復活することはあるのでしょうか。

北村: 現時点ではない、としか言えませんが、先ほどの「カール」や、2022年に新商品で復活した森永チョコフレークなど、例がないとはいえません。