商品ジャーナリストの北村森さんに、生活経済の観点から解説していただきます。今朝は「コンビニとファストファッション」についてお話をお伺いします。

J.K. コンビニで売っているパーカーやTシャツがバズりましたね

北村: ファミリーマートは、アンダーウエアの領域でも以前から仕掛けていました。2018年に緊急用の「ワンデーパンツ」を150円で発売。出張や予期せぬお泊まりで使うには十分の質だったことで話題をさらいました。今回のパーカーも、まず「いざという時=薄着で出かけたら意外に寒くて困ったなど」の需要を掘り起こすと同時に、「これで十分」という日常使いのユーザーをも掴んだという話だと思います。そこでローソンもニットで追随しています。

J.K. コンビニで取り扱う商品のバリエーションはどんどん増えていますね

北村:スマートフォンとコンビニエンスストアは、あらゆる他の業界の製品やサービス領域を吸い込むようにして大きく伸びてきたという経緯があります。そもそもコンビニでいえばお弁当屋さん、チケットサービス、カフェなど、その領域の広がりは、枚挙にいとまがありません。カフェなど、その領域の広がりは、枚挙にいとまがありません。

J.K. ただ商品が置けるスペースは売り上げがなければシビアに削られます。

北村: 見逃せないのは「試してみたい」と思わせる、ぎりぎり絶妙な価格設定でしょう。3000円台という値段、そして試してみたら、質感もシルエットも悪くなかったという投稿がSNSで拡散したこと。その意味では時代の空気を上手に掴めたヒットだと思います

J.K. ファストファッションではユニクロという大きな存在と競合するのでは

北村:コンビニの国内での総店舗数が5万台後半で頭打ち、飽和状態となっていることも見逃せません。店舗数を増やせないなら、また新たな商品領域、できれば単価が高くて、省スペース化でパッケージできるような商品の取り扱いに活路を見出すというのは必然の動きで、今後更なる挑戦が期待されます。