商品ジャーナリストの北村森さんに、生活経済の観点から「今年のヒット商品」についてお話をお伺いします。

J.K. 今年の「流行語大賞」は「A.R.E.(アレ)」今年の「漢字」は「税」でした。北村さんが今年を象徴するというヒットは何でしょうか?

北村: まずはジャパンモビリティショー2023 ですね。東京モーターショーから改称し、コロナ禍を経て4年ぶりの開催。過去最多となるおよそ470社が出展。入場者数は111万2000人と健闘しました。クルマ単体の話ではなく、これからは「人は移動の自由を確保できるのか」「そのためには何が必要か」を示そうとした姿勢を私は評価しました。自動車メーカーだけでなく、中堅中小企業やスタートアップの出展が目立ったのが印象に残りました。

J.K. やはりコロナ禍を経てテクノロジー分野での改革は目立ちますね。

北村: ChatGPTはAI(人工知能)の存在を日常生活の場で享受できるチャットサービス。話題を呼んだだけでなく、これとどう向き合うか、あらゆる場所で議論が巻き起こった点も注目されました。例えば大学教育の場では、学生の使用を禁止するのか、そうではなくて、学生が使うのを前提とした課題を出すべきではないかなど、教員が頭を悩ませる場面も...。ChatGPTを活用するには「どう質問するか」という力こそが問われるという指摘も各所で見られ、とても興味深いところ。

J.K. テクノロジー以外で身近なサービスのヒット商品といえば何でしょうか。

北村: 手ぶらで短時間のジム通いを提案する「chocoZAP1年で会員数100万人超え。手頃なジムはこれまでもヒットしてきたが、利便性のほか、出店ペースの速さも話題となり、大ヒットになりました。

J.K. ジムは続けられるかどうかがポイントですものね。そして毎年のことですが、食べもののブーム、日本独特ではありますが、どうでしょうか。

北村: 今年のひと皿は「ごちそうおにぎり」が選出されました。手軽に出店できることで他業種の参入、有名店とのコラボで新展開をめざす動きは止まりません。ただ個人的には食のヒット商品といえば「ふりかけるザクザクわかめ」です。食品の不思議ヒットは毎年のように登場するが、今年はこれかと思います。発売1年で300万袋。わかめが主役に躍り出て20代男性の心を掴みました。