ITジャーナリストの三上洋さんに、「Appleの高性能新機種」について解説していただきます。

J.K. まずは先月発表されたMacBook Proがとにかく高性能だとか

三上: もともとAppleコンピューターは心臓部といえるICチップにアップル独自の CPUを採用していました。それが2006年にインテル製品に変わり、そして 2021年から独自のM1という独自のチップにに回帰した経緯があります。 このM1というチップは頭脳としての処理、グラフィックの処理が速いのに加えて、電力効率がいい、つまりMacbookを充電なしで長時間使える という圧倒的メリットがありました。 そして今回はさらにその進化版M3がリリースされて処理能力が2割から 3割向上しています。ゲームなどグラフィックの処理、映像編集の処理 などが向上しています。

J.K. やはりプロ、というだけあって一般向けではスペックが高すぎるのでは。

三上: 映像編集、ゲーム、AI人工知能など使う人向けではあります。 ただ日本の場合は、アップル製品、というブランドイメージが先行していて、 オーバースペックなものを使う事も多いのと、 高画質動画や将来的には 3DのバーチャルがメインとなるVision Proもあるので、高すぎるスペックというわけではありません。

J.K. 今ではiPhoneでも4K動画の撮影もできるし、配信されていますよね

三上: 4K動画を扱うには、マシンパワーが必要です。iPhoneの4K動画を活用するには、チップは速ければ速いほどいいんです。実はコンピュータの歴史は、常にハードウェアのスピードアップに対し、ソフトウェアがそれを超えるスピードを要求してくるのです。画像が動画になり、ゲームが3Dになり、暗号資産の採掘からAIの学習にも使うと、常に「ハードウェアができる処理を上回るソフトウェアの利用が出てくるものです。今回のM3搭載のMacbook・iMacも、その速さを超える用途がとんどん生まれてくることになるでしょう、ただ中国ではアメリカ製のハイテク機材の輸入禁止という規制があるので、売上げ面での不安はつきまといます。