今週はITジャーナリストの三上洋さんに 「イーロン・マスク氏買収後のTwitterと今後」について解説していただきます。
J.K.: イーロン・マスク氏がツイッターを買収してからそろそろ半年ですね?
三上: イーロン・マスク体制になり、ツイッターをめぐるさまざまな話題がニュースをにぎわせています。編集も可能なサブスクリプションサービス「Twitter Blue」また「ショート動画機能」がスタートしたかと思えば、一方で大規模リストラや人気があったサービスを次々と休止すると宣言。最近では会社組織としてTwitter社が先月の段階で、消滅していたことが報じられました。
J.K.: イーロン・マスク氏は一体何がやりたいのかよくわかりません。
三上: 所有する「X社」が吸収合併し、Twitter社が消滅したというニュースですね。宇宙事業の「スペースX」などでもおなじみの「X」ですが、もともとマスク氏はツイッター買収が話題になる前から、スーパーアプリの開発を検討。その名前が「X」とも言われています。何もないところからアプリを開発し、ユーザーを集めるより、「ツイッター」をベースにした方が近道だというのが、マスク氏の考えなのかも知れません。
J.K.: SNS広告以外の新事業、新機能が追記されるということですね。
三上: 例えばイスラエルのネット証券会社「eToro」と提携し、金融サービスを充実させる計画が発表されました。アップルが普通預金金利4.15%の普通預金サーピスをはじめると今週話題になりましたが、そうした流れをふまえると従来の「ツイッター」以外の機能が増えていくことは間違いなさそうです。
J.K.: 世界でも「ツイッター」の利用が盛んな日本はどうなるのでしょうか。
三上: ユーザーにとってプラスかマイナスなのかは、まだわかりません。正直なところイーロン・マスクの登場以降、Twitterにプラスと言える点がほとんどなく、Twitter大好きの日本人さえも、Twitterの将来をあきらめつつある雰囲気です。最近ではTwitter創業者のジャック・ドーシーが押しているSNSアプリ「Bluesky」の人気が日本でも高まっていますので、日本でもTwitterの利用者が減る可能性があります金融、動画、決済などのスーパーアプリ化にするのはいいとしても、それまでTwitterが収益的に持つのかどうかというのが心配です。