J.K. 映画のアバターも話題ですが、SNSのアイコンでも最近よく見る気がします

三上: 実はアバターの歴史は古く、40年近く前からルーカスフィルムなどがビジュアルチャットのサービスをはじめていて、インターネットの黎明期から日本でもサービスはあった。ただ昨今のブームは、お仕着せではなく、AIが進化したことで分身としての自由度が高まり、さらに似てきた。

J.K. 写真の加工ソフトなどもずいぶんと進化していますね。

三上: リアルな顔写真だと写真写りや盛り具合で、別人と思われる場合もあるがもともと漫画化されたりしていた分身のアバターはそれがない。日本でもSNSのSnapchatユーザーがアプリ内のBitmoji機能を使うとか、写真ソフトのsnowのAIアバター機能が起爆剤になったとも考えられる。実は個人情報を守る意味でも、プロフィールに分身を使うニーズがあり、SNSでリアルの顔写真を出すことは減っていくのでは。

J.K. 今後のアバターは「セカンドライフ」の失敗もふまえ、どうなるのでしょうか。

三上: メタバースでもっともメジャーなVRChatでは、オリジナルのアバターを作ることが初心者脱出の一歩となっている。メタバース上に自分の分身・化身であるアバターを作ることが当たり前になっており、アバター作成やアバターのファッション作成のビジネスが盛んになってきた。またAIの進化スピードも速く、Tiktokでは「AIエフェクトマンガ」がブームに。顔写真から美化されたアニメキャラクターのような画像を作ってくれるもので、SNS上のアバター作成として使われる可能性がある。サイバーエージェントは年内にもAIで動画広告を量産。3次元によるタレントの分身アバターを活用し、視聴者の好みなどに応じてしぐさやセリフなどを作り分ける広告の取り組みを行う。メタバースの世界も、新次元にはいったアバターによって活性化することも考えられる。