今週はITジャーナリストの三上洋さんに、「コロナ禍3年でSNS勢力地図に変化」というトピックについて解説していただきます。
ハリー: SNSの世界もコロナ以前と今では変化があるということですね
三上: 対面での交流が制限される中、15秒程度のショート動画や写真の投稿が人気を呼びTikTokとインスタグラムの利用者が大幅に伸びた。そして外出自粛ムードが緩むと、LINEやフェイスブックか停滞しました。TikTokは当初はショート動画がウリだったが、最近では情報メディアとしても注目されている。テレビ局報道部がニュースを流して利用者が増えているほか、ロシアによるウクライナ侵略では現地の様子をジャーナリストがTiktokで伝えたTiktokは最大10分まで投稿できるようになっており、ポストYoutubeとして世界的に利用が伸びている。
ハリー: やはり若い世代が引っ張っている、という状況でしょうか
三上: TikTokは国内利用者に占める10~20代の割合は4割を超え、同時に30代以上の構成比も上昇という分析がある。10~20代の割合はインスタグラムやツイッターが3割を超えた。それに対して全てのアプリで利用者数がトップのLINEでは10~20代が2割台で、家族とのメッセージのやりとりはLINE、友人とはTikTokやインスタグラムという使い分けも...。よく言われる「若者とおじさんの境目」は、「LINEの未読表示」だと言われている。未読が常に100件以上あるのが若者、未読がゼロになるように使っているのがおじさんおばさんだと。それだけ若者はLINEを「現実社会での面倒なコミュニケーションツール」と見ていることになり、友人とはインスタのDMを使うパターンが多い。
ハリー: どのSNSに広告を出すか、というポイントは死活問題ですよね。
三上: 動画広告などを含むディスプレイ広告事業全体の22年7~9月期の売上は前年同期比5.3%増と前の年に比べてペースが大きく落ちた。そして今後景気の減速懸念が広がるなか企業は広告の出稿先を選別しつつある。 Facebook広告、Googleの検索広告、YouTubeの動画広告にも陰りが見られる。2022年秋は「コロナ禍のITバブル崩壊」と言われており、大手グローバルIT企業はピンチに陥っている。TikTokもアメリカでは機密情報の漏洩問題から規制が強まっているし、イーロン・マスク氏の買収で揺れたTwitterも従業員削減などで不透明。