今週はITジャーナリストの三上洋さんに、「動画アプリの二重価格」というトピックについて解説していただきます。

三上: おはようございます

Sascha: 具体的にはどんなサービスで二重価格があるのでしょうか。

三上: 動画共有の「ユーチューブ」で広告表示をなくす「プレミアム」を、iPhoneアプリから申し込むと毎月1550円。一方サイトから登録すれば1180円です。

ネットテレビ「アベマ」では、有料会員の月額はアプリもサイトも同じですが、個別に支払う有料番組ではアプリからの購入料が1割高いケースが...。

動画共有の「TikTok」では、投稿者を応援する「投げ銭」に使うコインの料金がアプリとサイトでは開きがあるようです。

Sascha: 当然アプリ経由だと決済の手数料がかかるということになるでしょうね。

三上: その通りです。世界のアプリ市場は2021年の1330億ドル(およそ18兆円)から、2026年には倍近くに拡大する見通し。配信のアプリストアは、アップルとグーグルの2社がほぼ独占している。サービス事業者としてはこの仕組みで集客を頼りたいものの、手数料がかさむのは困ったもの。Apple税とも呼ばれて問題に、また金銭を扱うNFTなども対象に。日本は公正取引委員会の指摘もあり譲歩されているが、 おおむね3割がAppleとGoogleに取られている。5兆円もの収入がある計算で、あまりに高すぎるのでFortniteでは裁判も

Sascha: 今後はこの二重価格は解消されるのでしょうか。

三上: 2社は外部決済を認めたり、手数料を柔軟にしたり、という改善策は打ち出されるものの、遠慮もあるようで、自社で決済サイトを用意していても大々的に宣伝しない場合がほとんど。

ただITサービスの多くが批判しており、EUでの新しい法律に抵触する恐れも、今後下がる方にあると考えられる。

Sascha: ITジャーナリストの三上洋さんでした。