経済評論家の加谷珪一さんに、「マンションの理事会に変化」という話題について解説して頂きます。

J.K. マンションは管理を買うともいわれますが、管理業務は面倒ですね。

加谷: マンションは基本的に管理組合が維持管理します。管理組合の理事長は、所有者の代表として管理会社や工事会社と折衝を行いますが、雑事も多く、管理費のお金を扱う責任もあるなど大変な手間がかかります。共働き世帯の増加や高齢化などで、理事長選出はひと苦労という場合もあります。 

J.K. その管理組合、理事会の変化とはどのようなものでしようか。

加谷: 理事長に代わって管理会社の社員がマンションの維持管理に責任を負う「第三者管理方式」。管理に無関心な購入者が多いリゾートマンションや投資用マンションの管理手法としてあったものが、一般的な分譲マンションでも導入する物件が出てきているようです。

J.K. 面倒から解放されるのはメリットですがデメリットもありうですね。

加谷: 住民は管理会社が適切に業務を進めているかだけを監督し、組合総会などで管理会社の提案に賛否を示すだけ。便利ですが、おまかせが行き過ぎると、維持管理への関心低下や管理会社への監視の目が甘くなる、住民同士の交流が失われるといった指摘もあります。

J.K. 今後の見通しはいかがでしょうか。   

加谷: 大規模な物件ほど意見をまとめるのは難しく、住民の多様化が進むこともほぼ確実です。第三者管理方式を採用する物件は増えていく可能性は高いと考えられます。また情報共有や意見の集約などをオンライン投票などで行うといったことも必要となるでしょう。