生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんに、生活経済の観点から解説していただきます。今朝は京都での超高級ホテルの、開業ラッシュのお話をうかがいます。

J.K. 新型コロナウィルスによってインバウンドが大幅に減っているというなか、京都では「ホテルバブル」が起きているとのこと、その背景は?

和泉: 既に日系や外資系の最高級ホテル(ラグジュアリーブランドホテル)が相次いで開業。京都市によると、今年3月末の京都市内の旅館とホテル数は679軒と前年比23軒増加しており、コロナ禍でも、6年連続増加で推移。京都のブランド力は絶大で、国内外富裕層にとって憧れの場所なんです。

J.K. ただ京都は、古都の風情が保つために厳しい景観規制がありますよね。

和泉: 20079月に新景観政策が導入され、建物の高さやデザイン、色などの規制が強化されました。京都の不動産は容積率等に制限があって、開発認可などにも時間がかかるため、投資効率は悪くなるはずですが、これが実は希少価値を高め、高級化することでかえって人気が出ました。

J.K. 京都に限っては大規模開発が難しいのではないかと思いますが...。

和泉: 「京町屋」と呼ばれる、木造の伝統的都市住宅も人気です。長い奥行きの敷地を生かした職住共存に適した間取り、奥庭や坪庭など自然と季節感を暮らしに取り込む工夫、扉や窓などの独特のデザインでセカンドハウスや投資用不動産としても富裕層に人気です。

J.K. 今後もまだまだ続くのでしょうか

和泉: コロナ後にインバウンド需要が回復することを見越し、この先も「デュシタニ京都」(2023年予定)、「京都東山SIX SENSES」(2024年予定)、「京都東山バンヤンツリー」(2024年予定)、「シャングリ・ラ京都二条城(仮称)」(2024年予定)など、開業ラッシュが続くことになります。