今週は経済評論家の加谷珪一さんに、ヨーロッパにおけるガソリン車の新車販売停止措置について解説していただきます。
J.K.: EUは2035年にガソリン車の新車販売を、ハイブリッド車(HV)も含めて事実上禁止する案を今月発表しましたね。
加谷: これはかなり衝撃的な発表でして、従来の対策では不十分ということが分かってきたということです。これまではハイブリッドでも電動車とみなしていたのですが、今回の決定によって、事実上EVしか認めないということになりました。ハイブリッドを主軸に据えてきた自動車メーカーにとっては大打撃ですが、一方で、EVの関連素材や部品を作る日本メーカーにとっては大きなチャンスといえます。
J.K.: 実際に自動車メーカーではどんな取り組みになるのでしょうか。
加谷: ドイツのダイムラーがメルセデス・ベンツの新車全てを9年後の2030年までに電気自動車にする、という大胆な計画を発表しました。おそらく各社は雪崩を打ってEV化を前倒しすると予想されています。
J.K.: 電池生産や充電設備の問題などもありますよね?
加谷: 電池や充電設備の増産はほぼ確実ですので、関連業界は特需となるかもしれません。
J.K.: 当然日本にも関係してきますよね?
加谷: 日本は素材や部品を得意とするメーカーが多く、実はEVシフトによって多くのメリットが得られます。景気回復のきっかけになることを期待したいです。