今週は経済評論家の加谷珪一さんに、自動車生産ラインにおける異変で、供給力が落ちているという現状について解説していただきます。回線が繋がっています。

J.K. 新型コロナウイルスの影響で、去年は自動車工場が一時的に生産中止や減産となりましたが、回復しても供給力が落ちたのはどうしてでしょうか。

加谷: 自動車業界に振り分けられる半導体の供給量が限られているため。新型コロナの影響により在宅勤務に切り替える人が増加し、パソコンやクラウド向けの需要が急拡大。全世界的に半導体不足となっており、その影響が自動車産業にも及んでいる。

J.K. それ以外にも原因があるのでしょうか。

加谷: 特に日本にとって大きいのは茨城にあるルネサスエレクトロニクスの工場火災、宮崎県にある旭化成の工場火災と、火事が相次いでしまったこと。世界的な半導体不足が発生しているところに、火災による供給の停止で、各メーカーは大混乱という状況になっている。

J.K. 今後は、どうなるのでしょうか?

加谷: ルネサスの工場は再開して生産のメドはたっているものの宮崎県の旭化成の工場は再建を断念し、新たに工場を造ると発表。自動車だけでなく、カーナビやETCなどというパーツにまで影響が波及。世界的な自動車メーカーでも、半導体の調達体制によってばらつきがあり、減産を打ちだしているところもあり、トータルでは元通りにもどるには、相当な時間がかかりそう。