藤代: 今朝は日経平均株価が週の前半と後半である傾向が見られることです。

J.K.: 株価そのものは上昇傾向ですが、そのようなことがあるんですか?

藤代: 先に数字を紹介します。集計の対象は2020年第一週から先週までの日経平均。この間、日経平均はざっくり24000円から29000円まで5000円ほど上昇しています。これを曜日別にみていきます。まず月曜日3400円上昇、火曜日6200円上昇とかなり上げています。水曜日は1100円上昇。一方で木曜日1700円下落、そして金曜日3820円も下落です。つまり、月曜と火曜に大幅上昇して、水曜はわずかにプラス、木曜日は売りが優勢、金曜日は明確なマイナスという傾向です。

J.K.: これなにか理由はあるのですか?

藤代: 多分ありません。このように明確な理由がないのに。何か法則があるかのように動くことをアノマリーといいます。例えば5月に株が下がりやすい、とか大統領選の翌年は株価が下落しやすいなどがあります。強いて理由を探すなら、世界で注目されているアメリカの経済対策が土日に協議が進展して週明けのアジア時間でそのニュースが株価に反映されることが何度かあったのが影響したかもしれません。あとは、金曜が月末の最終取引日になった時に、いわゆる月末要因と呼ばれる現象を強く受けている可能性があります。

J.K.: 月末は株価が下がるということですか?

藤代: 株価が持続的に上昇している局面では、月末にかけて株価が下落する傾向があります。これは比較的よく知られた傾向です。その理由は株式50%、国債50%といった具合に、資産配分ルールを定めている投資家がいることです。

株価上昇によって保有資産に占める株式のウェイトが基準以上に高まらないように、月末に株の残高を減らすという行動をするからです。もしかすると、これが影響したかもしれません。

ただし、それだけではここまでの差は出ないので他に理由がある、もしくは本当の偶然かもしれません。

少なくともこの1年は、木曜か金曜に株を買って、月曜か火曜に売るという単純なことをすれば、それだけで利益が出たわけですが、その傾向が続くのか、注目です。