藤代: 最近また価格が上がってきたビットコインについて。

J.K. ビットコインは数年前に急上昇ましたが、最近あまり聞かなくなりましたね。

藤代: 暗号資産、仮想通貨とも言われるビットコイン。今週、1ビットコインあたり約14000ドルを回復しました。これはビットコインがブームになっていた2018年1月以来と同じ水準です。ビットコインの投資はその後一度下火になりましたが、ここへ来て再び注目を浴びています。

J.K. なぜ価格が上がったんですか?

藤代: 大きく分けて2つあります。一つは暗号資産が徐々に通貨としての性格を帯びてきたことです。これまでビットコインは送金、決済としての役割は限定的でしたが、ペイパルという世界的に有名なオンライン決済の会社がビットコインによる決済サービスの開始を発表したことで、既存の通貨に近づく道筋が少し見えた、これが背景です。これによって単なる投機対象としてのブームとは違ってきた、とも言えます。

J.K. それでは、もう一つの要因はなんでしょう?

藤代: ドル金利です。ビットコインを投資対象と考えた場合の弱点、それは金利がつかない、株のような配当もない、ということです。この弱点は金(ゴールド)も同じです。コロナの前、アメリカの翌日物金利(短期金利)は1%を超えていました。一方今は0%。10年国債金利ですら0.7%という超低金利。この状況では、金利が付かないというビットコインの弱点が隠れます。またごく一部にこの低金利を利用してドルを借り入れ、それをビットコインの投資に回すという動きもあります。つまり、ビットコインが上がった背景には金融緩和によるドル金利の低下がある、ということです。ただし、これはあくまで一つの要因で、実際にはそう簡単に決まりません。金融緩和が続くからビットコインが上がり続ける、と考えるのは危険だと思います。