藤代: 最近の株価動向についてです

J.K.: 昨日は比較的大きめの下落でしたが、何がありましたか?

藤代: 新規の悪材料が出た訳ではないのです、それ以前の株価上昇がかなり急ピッチでしたのでその反動が出たと思われます。一昨日時点でアメリカのナスダックは史上最高値を更新、日経平均もコロナ前の高値に5%程度まで戻すなど、3月中旬の株価暴落局面では想像もできなかったような力強いリバウンドが現実になっていましたから、さすがに一方的な買いの流れがストップした形です。

J.K.: それまでの株価上昇の背景はどう説明できますか?

藤代: まず経済活動再開があります。最近発表されたデータをみると、アメリカ、ヨーロッパは4月を底に緩やかな回復経路に戻っています。その点日本はやや変則的ですが、6月以降上向いているのは間違いないでしょう。それから経済対策が相当効いています。日本では10万円の給付金も振り込みが始まっているようなので、それが少なからず経済を押し上げると思います。欧米ではかなり手厚い経済対策を講じたので、コロナ以前より収入が増えているケースも多く、懐事情は悪くありません。経済活動再開と景気対策の合わせ技が上手く効いた形です。

J.K.: 景気対策がいつまでも続くとは限らない、そういう不安もありますよね。

藤代: 個人的には日本でも海外でも、まだまだ景気対策が続く可能性もあると思います。というのも、過去、人々の行き過ぎたリスクテイクの結果として生じたリーマンショックや日本のバブル崩壊は、景気対策を打つ時に「誰々の救済に税金投入はけしからん」といった具合に利害が一致せず、景気対策が小粒になる傾向がありましたが、今回は「犯人不在」で世論が導入で一致する空気があります。こう考えると今後も経済活動が鈍いと、財政再建の議論は一旦棚上げで、景気対策が出るように思えます。