藤代: 世界の金融マーケットが暴落している背景にあるものです。

J.K.: アメリカ、ヨーロッパでは記録的な下落が続いていますね。

藤代: 一番恐れていた欧米への感染拡大が現実になり、経済活動、お金の流れが止まりかけています。よく言われる通りおカネは人間でいう血液のような役割ですから、流れが止まる危険が迫っているわけです。2週間ほど前までは、良くも悪くも株価の下落だけで済んでいて被害は投資家に限定されていました。最近はいよいよ企業の倒産などが心配されるようになって、人々が現金にしがみつくようになっています。今や安全資産の「金・ゴールド」まで投げ売りの対象になっています。

J.K.: 一方、日本の状況はどうですか?

藤代: 株価下落は続いていますが、欧米に比べると下落ペースが落ち着いてきました。皮肉なことに元から上昇が鈍い分、下落がマイルドという部分もあるのですが、日本、中国、韓国を中心とする東アジアの新型コロナウィルスの被害が欧米に比べて抑制されていることが一つの理由だと思います。それともう一つ意外な点は2月の輸出が予想外に底堅く、信じ難いことに中国向け輸出が増えていました。

J.K: 株式以外はどう見ればよいでしょうか?

藤代: 為替レートが安定しています。今、経済的に少しでも脆弱な国の通貨は投げ売りの対象になっているのですが、JPYは驚くほど安定しています。為替は円高・円安どちらが良いのかという議論はありますが、一番重要なのは急激な変動がないことです。企業は事業計画立てられない、物価が大幅に変動します。そしてこの為替の安定の背景にあるのも、やはり日本の感染者数が抑制されていて、経済活動が徐々に正常化するとの期待があるのだと思います。この点において日本の置かれた状況は相対的に良いと言えるかもしれません。最後に一番重要な点として、相対的に良い・悪いというよりも、とにかく世界がコロナ以前の状態に戻ることが何よりも重要です。