藤代 今週の世界的株価下落について

J.K.: NY、ヨーロッパ、日本、株価下落していますがNYダウは過去最大の下落幅です。

藤代: きっかけはイタリア中心にヨーロッパで新型コロナウィルスの感染が拡大したこととアメリカ疾病対策センター(CDC)が、アメリカ国内での感染拡大にも言及。いよいよ世界的に経済活動が圧迫されてしまうとの懸念が生じたことです。それ以前の段階では、中国の一部地域に限定された問題として扱われてきたようなのですが、さすがにそうも言っていられなくなったという印象です。

J.K.: 世界的な混乱が意識されたということですね?

藤代: 世界的な株価急落のきっかけという点においては、その通りだと思います。ただ少し見方を変えると、株価急落前の欧米株、特にアメリカの株はかなり楽観的だったので、その見方が修正を迫られたと表現する方が正しい印象です。中国では1月下旬頃から新型コロナウィルスの影響が表面化していたのですが、欧米株はそれを無視する形で、ぐんぐん上昇してきました。私はここ数週間、アメリカの株がいくらなんでも上がり過ぎ、経済指標との比較で説明がつかない、とお伝えしてきましたが、改めて、そ相場が過熱していたことを実感しています。

J.K.: 世界的な株価下落、まだまだ続きそうですか?

藤代: 金融市場の鉄則に近い法則なのですが、一度相場が急落して混乱すると、通常は3~4週間くらいは、なんの理由もなく急上昇・急低下を繰り返しながら下落していく傾向があります。株が急落する度、報道では新型コロナウィルスの恐怖が伝えられると思いますが、ここで是非とも認識しておきたいのは、急落前の株価水準はかなり行き過ぎていたので、いつ株価が下落しても不思議ではない状態にあったことです。つまり、株価下落の理由は、投資家が世界経済の急減速を心配しているというのも一部あるのでしょうが、本質的には、上がり過ぎの反動と理解するのが正しいように思えます。