藤代: アメリカの株価がぐんぐん上がる理由と、行き過ぎてはいないかについてです

J.K.: 毎週のように市場は最高値更新と、お伝え、読んでいる気がします。

藤代: 200809年のリーマンショックで半分くらいまで下がった後、ほぼ右肩上がりが10年続いています。米国経済が強いと言ってしまえば、それまでなのですが本質はイノベーションの多さです。キーワード列挙すると、スマホ、iPhoneアマゾン、facebook, twitter ,Instagram, youtube, uber、サブスク、そしてクラウドサービス。どれも基本的にアメリカで生まれて、世の中を変えているのです。

J.K.: この10年でみても世の中が大きく変わっていますね

藤代: とはいえさすがにこう株があがるとバブルだ!という声をよく聞きます。私自身も時々そう思うことがあります。特にここ数ヶ月は、企業収益と比較して、株価が行き過ぎている印象です。ただし冷静にみると、収益力や成長性が劣っている企業はそれなりにあって、それら企業の株価は、これだけ全体の株価が上がる中でも下がり続けています。つまり選別の目は、意外に厳しいということです。

J.K.: 冷静さは失っていない、つまり、実態のないバブルではないということですか?

藤代: この点が過去のバブルとの比較で大きな違いです。日本のバブルを含めて、あらゆるバブルは業績の悪い企業でも株価が上昇し、上がった理由は後付けで熱狂していくというパターンでした。有名な話ですが、2000年頃のITバブル期は会社名を「@@ドットコム」、「@@ネット」に変えると株が上がる、という信じがたい現象も起きました。その点が「今回は違う、バブルではない」という理由なのです。そして最後に、もうひとつとても有名な話を紹介します。今の私のような専門家が「今回は違う」「this time is different」と言い始めた時は、大体その後にすぐバブルが崩壊しています。つまり、自分たちが今バブルの中にいるのかどうかは、わからないということです。