イギリスの総選挙についてですが、どうでしょう。

藤代: 速報では保守党が過半数確保で勝利政権続投、1月31日にEU離脱。日本の経済市場への影響はそれほどなさそうで、むしろ米中貿易の改善の方が重要です。そして今朝のトピックスは来年を見据えてオリンピックと不動産、特に住宅についてです

J.K.: オリンピック後の資産バブルに崩壊に対する警戒感があるのは事実ですよね。

藤代: 私は不動産専門家ではありませんが「オリンピックが終わると安くなりますよね?」「買うのを待った方がよいですか?」などとよく聞かれます。個人的にオリンピックが終わった途端に不動産が崩れるとは考えにくいです。東京都の人口は増加を続けていますし、オフィスビルの空室率は30年ぶりの低水準です。こうした環境が急激に変化しない限り、マンションや一戸建てなどが急にお手頃価格になるとは考えにくいです。オリンピックと、近年じわじわと上がっている東京近郊の不動産、特に居住用の物件は、オリンピックと直接的な関係が薄いと思います。

J.K.来年というのではなく、少し長い目で見るとどうなのでしょうか?

藤代: 向こう1020年は不動産市場が堅調に推移するという見方があります。というのも建築物の平均的な耐用年数は30年から50年といわれていますので、これからは1970年から90年頃までに大量に建設された物件が、建て替え時期を迎えるからです。すると建て替え需要で建設労働者のコストが高騰して、新築物件価格が高止まり、或いは更に高くなることが予想されます。

新築物件が高いと、それに引っ張られる形で中古物件、全体も高くなります。オフィスと住宅で多少の違いはありますが、こうしたシナリオは十分に考えられます。

J.K.: 不動産価格は複雑な要素で決定されるので、単純ではないですね。

藤代: あくまで個人の意見ですが、不動産は株式と違って、簡単に売ったり買ったりできません。不動産を複数購入する資金力があるなら別ですが、買った住宅が2割値上がりしたから一度売却し、しばらくは賃貸住宅で過ごして、不動産の価格が下落するタイミングで再びマンションを買い戻す、などという機動的な事は通常できません。一度買えば基本的に何十年も売却することはないと思います。個人的に不動産価格は中長期でそれほど下落することはないと思っています。購入のタイミングを小刻みに考えることにはさほど意味はなく、やはり最後には買う人の生活環境などのライフプラン次第だと思います。