藤代: 実はアメリカの好景気が何年も続くかもしれないという話をしたいと思います。

J.K.: 景気後退が近いという話もあり、中国との貿易戦争の行方も不透明ですよね。

藤代: 確かに不気味なサインが幾つかでていますから、向こう数年で景気後退に陥る可能性はそれなりにあります。ただ、少し違った視点でみると、現在の景気拡大は2030年頃、つまりあと10年以上続くと考えることもできます。数十年サイクルで一周する景気循環が、既に上向きに転じている可能性があるからです。

J.K.: その根拠はなんでんしょう?興味深いです。

藤代: データはともかく、これはNYをはじめアメリカの空港に行くと実感できます。NYの玄関口にしては、老朽化が進んでいて、お世辞にも綺麗とはいえません。空港以外に、駅、電車、バスは古く、また実際に住んだ方がよく口にするのは、停電が多く、水道はトラブル続きといった具合に、いわゆる公共施設・設備、インフラの質低下が問題になっています。当然ながら、これを直す必要があります。

J.K.: 何十年も前に作ったインフラを刷新するという話が出ていましたね?!

藤代: こうした大規模インフラ投資は、トランプ政権・共和党と民主党が同意している数少ない政策です。ということで老朽化したインフラの再構築は政治的にも、比較的スムーズに進みそうで、こうした政府の取組みが好景気を作り出す可能性があります。このようなインフラ投資は、何年もかけて実施されるので、その間は民間の失業者が政府部門で雇われるなどといった理由で景気が良くなります。老朽化したインフラは、景気拡大の原動力というわけです。