藤代: 今日と明日開催の大阪G20サミット。そして月曜発表の日銀短観について。

J.K.: G20サミットでは米中貿易戦争などがテーマになるとされていますね。

藤代: 29日にあるといわれているトランプさんと習近平さんの会談が注目です。サミットに参加する20の主要国が、経済分野で一番頭を悩ませているのは、アメリカの通商政策ですから、ここで歩み寄りがあるか注目されます。ただし過度な期待は禁物。最近は少しずつ歩み寄りの姿勢が感じられる一方、大きな合意の成立はなさそうで、期待と失望が入り混じる結果になるでしょう。

J.K.: そうすると世界経済の不透明感はまだ残りそうですね。

藤代: そうした中、最近は各国政府が「財政出動」を実施することで、景気を下支えしていこうという考え方が主流になりつつあります。これまでの金融緩和による景気刺激効果は限界があり、政府がおカネを使った方が有効というわけです。日本は、そうした流れに反する形で消費増税を引き上げる予定ですが、最近は政権の内部にも増税慎重派が増えていて、代表例としては4月に萩生田副官房長官が7月1日の日銀短観が悪ければ、増税先送りすべきと発言し、波紋を呼びました。

J.K.: 日銀短観の結果はどうなりそうですか?

藤代:当社の予想では、日銀短観で示される企業の景況感は悪化すると思います。政府が消費税先送りの条件としている「リーマンショック級」の悪化にはならないものの、それでも足もとの日本経済の風向きの悪さを浮き彫りにすると思います。

ただし、日銀短観の結果が予想に反して大幅に悪化する可能性もありますので、その場合、増税先送りの可能性もゼロではないと思います。逆に大幅な悪化にならなかった場合、消費増税はほぼ100%実施だと思います。

J.K.: G20の結果もさることながら月曜日の日銀短観に注目、ということですね。