藤代 ゴールデンウィークの10連休が経済に与える影響です。

J.K. 何といっても旅行で観光地がすごく盛り上がりそうですね!

藤代 大型連休ですから、行楽需要は国内・海外ともに大変な増加が見込まれています。これによって10連休の中の消費が押し上げられることは疑いの余地がないので経済効果を期待する声があります。ただ水を差すつもりはありませんが、やや長い目でみた場合、大型連休が経済全体にとってプラスかといえば、実ははっきりとした結論はでていません。これは今やあまり盛り上がらないプレミアムフライデーにも通ずるのですが、楽しむ時間があるからといって消費が増えるとは限らない、ということです。

J.K. 時間があるからといって、たくさんおカネを使えるとは限らないですね。

藤代 消費は4月に買い控え、5月に過剰な消費、6月は節約モードで、3ヶ月を平均すると、プラスマイナスゼロになると思います。企業部門も含めた視点でみると、4月に前倒し生産で経済活動が大きく盛り上がった後、5月は対個人向けの業種以外の企業活動(工場など)が大幅に鈍化、6月は4月と5月の中間くらいの着地だと思います。したがって、経済全体でみるとやはりプラスマイナスゼロだと思います。

J.K.: 逆に悪影響はありますか?

藤代: 恐いのは株式市場が10連休に入ることです。連休中に海外で大きな動きがあっても、日本株を持っている投資家は株式を売買できませんから、そうしたリスクを回避するために、連休前に株を売る動きが加速するかもしれません。したがって4月の下旬頃からは注意が必要ですし、金融機関が休みになる、しかもこの間に元号が変わるということで金融システムのトラブルに関して、神経質にならざるを得ません。