藤代今朝はアメリカの中間選挙が経済に与える影響について。

J.K.:予想どおり、民主党が巻き返す結果となりましたが、経済に与える影響はどうでしょうか?

藤代 トランプ大統領の人気が落ちたとの評価も目立ちますが、中間選挙で大統領が属する政党が議席を失うのは過去の傾向どおりで、実は違和感はありません。むしろ、今回、トランプ大統領率いる共和党はかなり善戦したという印象です。とはいえ上院は共和党、下院は民主党が過半数を握り、いわゆるねじれの状態になりましたから、政策運営が一部難航する可能性はあります。

J.K.:民主党の力が復活すると、トランプ大統領の政策は落ち着きそうですか?

藤代 一部ではトランプ大統領が仕掛ける貿易戦争にストップがかかるとの声があるようですが、そうならない可能性が高いです。というのも関税の設定は大統領の権限に基づいて実施されているので、それを阻止するには上下両院で2/3以上の票を集める必要があり、その可能性は低いです。したがって、中国とのにらみ合いは暫く続きそうです。

J.K.:経済政策が滞るとの懸念があるようですが、どうですか?

藤代 トランプ大統領が就任前から掲げてきた大型減税、金融規制の緩和など、大胆な政策は既に実施済みなので、選挙の結果に関係なく、追加的な経済政策はあまりなかった状態でした。大統領就任以来、物凄いスピード感で政策を実施してきたのは、この中間選挙の結果を予想してのことだったのでしょう。次の大統領選は2020年。それまでに経済が減速した場合、責任を民主党に押し付けることで、大統領選で再選を狙う戦略かもしれません。