藤代おはようございます。今日は統計の数字をどう読むかについてです。

J.K. 統計が現状を反映していないという問題を番組でも紹介しました。

藤代 ここ数年、政府統計の見直しに関する議論が盛んになっていて、政府は2017年に統計改革推進会議というものを立ち上げて、統計の専門家と意見交換をしています。現在、政府が公表している統計は1970年代やそれ以前に始まったものも多いので、制度的に疲労を起こしていると指摘されています。例えば、インターネットを通じたサービス等が統計にうまく反映されていないのでは?という問題点。そして、家族・世帯構成の変化、そして人口についても現状に則していないと指摘されています。

J.K. 経済政策に使われたりするので、なるべく早く改善が必要ですね。

藤代 統計は速報性、正確性、それから連続性に優れていることに越したことはありません。現在はビッグデータの活用など様々な改善策が検討されています。一方、ここで少し変わった海外の統計改革を紹介します。大きな動きがあったのは数年前にイタリアとイギリスが地下経済、シャドーエコノミーを政府の統計に反映させるということがありました。

J.K. 地下経済、シャドーエコノミーというのは・・・・

藤代 麻薬、売春、賄賂、密輸など犯罪系のモノが中心です。道徳的に問題はあっても、そこに金銭の動きがある以上、経済活動として認識すべきという考え方です。特にイタリアは地下経済が大きいと言われていますが、それらは公式統計にごく一部しか反映されていません。実際は経済規模に対して25%くらいあるといわれています。ちなみに日本は10%くらいと計算されています。こうして考えるとやはり統計には限界があると思います。正確にこしたことはないのですが、正確な統計を作るのも限界があるということです。だからこそ、統計を見る側としては、そのクセや弱点をユーザが把握して、幅をもってみることが重要だと思います。