藤代おはようございます。今朝は、サービスという英単語が日本独特の意味で使われていることに注目して日本経済の問題点を考えてみたいと思います。

J.K. 本来は他人に奉仕する、助ける、人の役に立つ、という意味ですよね。ただサービスは無料っていう意味で使われたりもしますね。

藤代 私はここに日本経済の問題点が集約されていると思います。日本人は、形あるモノ、具体的には家具、家電、食品、雑貨といったものにはおカネを抵抗なく払う一方、サービス業に対しては財布の紐が固いという傾向が指摘されています。サービス業とは、宅配,、教育、美容院、最近だと家事代行等です。日本独特の傾向として、サービス料金に値上げに対して消費者は強い抵抗を示していることが統計で明らかになっています。

J.K. 欧米ではチップを払ったりしますが、日本ではなじまないですよね。

藤代:日本は先進国で唯一、賃金と物価が下がり続けるデフレを経験しました。ただ近年欧米と決定的に異なるのはサービス分野の料金でした。サービス業は原価、コストに占める人件費の割合が高いので、欧米では人件費とサービス料金が互いに刺激し合う形で上昇しているのですが、他方、日本ではそうした動きがほとんどみられず、最近の人手不足の中でようやく賃金とサービス料金が上昇したという具合です。恐らくこの欧米との違いの背後にあるのが、サービス残業です。日本人は、無料で人に何かを奉仕するのが美徳という感覚があって、そのこと自体は素晴らしいと思うのですが、経営者と労働者の間では、しっかりとおカネを払う、要求するように考えを変えていかなくてはならないと思います。そうしないと、賃金が上がらないと思いますし、介護など人手不足が深刻な業種の問題は解決しないと思います。