藤代:おはようございます。先週から話題のトルコの政治経済についてです。

JK: トルコといえば人気の観光先というイメージが強いですが、ここへきてトルコの政治と経済が騒動になっていますね。

藤代: まずは政治面。トルコはアジアとヨーロッパにまたがる位置にあります。国民の90%以上がイスラム教徒でありながら「西側諸国」として、アメリカとこれまで良い関係を築いてきました。しかしながら、トルコのエルドアン大統領とトランプ大統領が、トルコの隣国シリアとの関係を巡って対立し、最近では両者とも遠慮なく罵り合っている状態です。それからトルコ政府がアメリカ人の牧師をクーデターの容疑をかけて拘束していることも関係悪化につながってます。

JK: アメリカとの政治的な対立、そして経済は混乱していますね?

藤代:経済面では、ここへ来てトルコに流入していたおカネが逆回転しています。通貨リラは数日で30%の下落を記録しました。これは1ドル110円が突然140円に跳ね上がるイメージですから、かなり強烈です。通常、為替レートは1日1%動けば大きいので30%はかなり異常です。ちなみに、トルコリラが安くなってお得に買い物できる外国人観光客が、トルコ国内のブランド店に殺到しているようです。

JK:なぜ急におカネがトルコから逃げていったのですか?

藤代:原因は2つあって1つはアメリカとの関係悪化です。2つ目はエルドアン大統領が経済の専門家ではないにもかかわらず、金融政策を司る中央銀行に自分の理論を押し付けたことです。この2つが重なったので投資家がパニックになりました。日本に与える直接的影響はさほど大きくありませんが、例によって株価下落、為替の大幅な変動を通じた影響には注意が必要です。