おはようございます。まずは一昔前に世界的話題になったギリシャの財政事情、そして日本の借金について考えてみたいと思います。

JK: ギリシャといえば数年前に借金返済で苦しみましたよね。

藤代: 簡単におさらいすると、2010年に帳簿改ざんが発覚し借金が大量に見つかり返済が立ち行かないことが判明。これは「ギリシャ危機」と呼ばれます。その後EU全体に飛び火しました。いわゆる「欧州債務危機」です。そこでギリシャはIMFという国際的な組織に金融支援を求めて、それ以降はIMFなどの管理下で再建に取り組んできました。ただ、その代償として、年金の削減などかなり痛みを伴いました。同時にギリシャ国債の8割近くを保有していた海外投資家もおカネが一部返ってこない。痛み分けとなりました。

JK:若者の失業率が上がったり、かなり深刻でしたよね?

藤代:たくさん苦労をしましたが、この夏にも遂に自立再建の見込みがたちそうです。つまり金融支援が終わって、今後は、再び自らの信用力でおカネを借りて、財政を切り盛りしていくことになるわけです。痛手を被った海外の投資家が再びギリシャ国債を安定的に買ってくるかが鍵となるのですが、これが上手くいけば、いよいよ「この支援からの卒業(尾崎豊風)」というわけです。

JK:ひるがえって日本も借金が多いのですが、大丈夫ですか?

藤代:ギリシャと根本的に違うことは、日本政府の借金は日本人が日本円で引き受けている、つまり、外国からほとんど借金していません。ギリシャや最近、借金を踏み倒したベネズエラやアルゼンチンは海外から借金をしていたので、借金を返さないと、国家としてはメリットがそれなりにありました。これに対して、日本は政府が借金を棒引きにすると、打撃を受けるのは日本人ですから、何も得をしません。少し乱暴な表現ですが、日本は借金が多いとはいえ、こうした国々と日本は借金の構造が本質的に異なるので、単に借金が多いからといって、財政破綻に繋がるとは限りません。