藤代:おはようございます。今朝は最近の貿易摩擦問題についてです。

JK: トランプ大統領は、海外からの輸入品に関税をかけて、外国製品の流入をブロックしようとしていますね。

藤代: 関税で脅しをかけるのがトランプ大統領の常套手段です。今週はツイッターで「関税は最高だ!」とつぶやきました。アメリカは世界中からモノをたくさん買っている立場ですから、関税でブロックするということは、アメリカ向けの輸出で稼いでいる国、つまり中国、メキシコ、日本、ドイツが大きな打撃を受けるわけです。

JK:中国との摩擦のあと、最近はどんな動きがありましたか?

藤代: 今週はEUと貿易について交渉がありました。メインテーマは自動車。トランプ大統領は、アメリカでヨーロッパ車がたくさん売れているのに、EUでアメリカ車が売れないのは「不公平」だと不満をぶちまけています。そこでトランプ大統領が目をつけたのが、EUが輸入自動車に対して10%の関税を設けていることです。一方、アメリカは2.5%しか関税を設定していないので、これが不公平だというわけです。これはEUとしては、痛いところを突かれています。

JK: 交渉はどうなりましたか?

藤代:今週の交渉では、自動車以外の関税についてはゼロにする方針が示されました。当初は、アメリカはEUからの輸入品に関税を設定すると脅しをかけていたのですが、これではアメリカ国内の輸入品の値段が上がってしまい、かえってアメリカ国民の負担が重くなるので、いっそのこと互いに関税をゼロにするという話です。これまでのトランプ政権の流れとは違い、自由貿易の方向に舵を切ったわけです。ただし、自動車については、影響が大きいのと、今後の交渉のカードに使いたいので、棚上げといったところです。

JK:EUとアメリカの貿易交渉が、日本経済にどう関係しますか?

藤代:日本は言わずと知れた自動車大国ですので、自動車関税引き下げの話が具体的になれば、ポジティブです。日本が一番恐れていたのは、アメリカが自動車に関税を設定することですが、関税引き下げ方向で交渉が進めば、景気にプラスとなる可能性が高いと思います。