藤代: アメリカ、中国、日本の経済規模と豊かさについて考えてみます。

平井:そもそも国の経済規模というのはどうやって測っているんですか?

藤代: 一般的にはGDP,国内総生産の額を経済規模として、それを大きい順にランクづけして比べることが多いです。GDPは1位がアメリカ、2位中国。3位は大きく離れて日本。ちなみに4位以下はドイツ、イギリス、インド、フランスと続きます。

平井:ということは、最近話題のアメリカと中国の貿易戦争は、経済規模1位のアメリカと2位の中国が争い、ということになりますね。

藤代: 具体的な経済規模の額はアメリカ1兆9千憶ドル、中国1兆2千億ドル。日本が5千億ドルです。ただ近年、中国が物凄い勢いで追い上げていて、このペースでいくと2030年頃には中国が1位になりそうです。アメリカが中国との貿易に不満を漏らしているのは、世界一の転落を防ぐ意図があるようです。ただここで見落としていけないのは人口規模です。中国は約14億人、アメリカは約3億、日本は1億3千万人なんです。

平井:人口は、中国がアメリカの4倍も多いんですね。

藤代: 重要なことは、国の豊かさを測る時、国全体の経済規模を人口で割った国民一人当たりの数字も見る必要があることです。一人当たりの数字は、中国がアメリカの1/7、日本の1/5で世界ランク74位です。したがってこの観点では、まだまだアメリカや日本の方が圧倒的に豊かと言えます。

平井:それでもやはり、中国は脅威なんですか?

藤代:経済規模1位を守りたいアメリカが中国に対して強硬な構えを示しているというのは、やはり恐怖感のようなものがあるようです。一人当たりの豊かさはアメリカ、日本が中国よりもまだまだ遥かに高いですから、経済的な意味において中国に支配される可能性は低いと思います。

一方で中国が豊かになった方が、日本やアメリカにとってビジネスチャンスが増えるのも事実です。経済の強さは幅広い視点でみていくことが重要だと思います。