藤代: おはようございます。今朝は ワールドカップ対戦国のポーランド経済、そして経済パフォーマンスとサッカーの成績に関係についてです。

J.K.:ポーランドの経済事情は普段あまりニュースでも取り上げられませんね。

藤代:ポーランドはEU加盟の28ヶ国中、人口は6位、経済規模は独、英、仏、伊、西、蘭、スウェーデンに次ぐ8位。意外に大きいです。社会主義国でしたが、2004年のEU加盟を転機に、その後は目覚ましい発展を遂げています。一人当たりの所得はまだドイツの1/3にも満たないですが、昨年の経済成長率は5%近い非常に高い伸びを記録しました。安価な人件費と真面目な国民性を武器にドイツ車向けの部品などを多く作っています。

J.K.日本との結び付きはありますか?

藤代: この勢いの良さが日本の投資家に注目されています。通貨の「ズロチ」は安定感があり、ポーランド国債は3%超の利回りがとれ、株価もまずまず。個人向けの投資信託も証券会社で販売されています。こうした投資家の注目を集めるような経済の勢いと、今回の3大会ぶりWC出場には、何か関係があるというのはあながち偶然ではないかもしれません。

J.K.日本より勢いが良いということですか?

藤代: 経済の勢いは間違いなくポーランドですが、安定感は日本が勝っていますので、やはり経済の総合的実力では日本の勝利だと思います。そして最近、経済的に勢いのある国とそうでない国を幾つか紹介したいと思います。まず、強いのは、勢いのある順にスペイン、ドイツ、スイス、ポルトガル、スウェーデンといった欧州勢。アフリカ勢はエジプト、ナイジェリアが復調気配です。一方、アジアオセアニアではオーストラリア、韓国が一頃の輝きを失っている印象です。それから中南米はパナマが好調を維持する反面、メキシコ、ブラジルが精彩を欠いて、アルゼンチンは不振極まりないです。欧州経済回復の流れに唯一取り残されたイタリア。偶然のようでいてこうしてみるとやはり経済の勢いとスポーツは無関係ではないかも知れません。日本経済は2000年代で最も状態がいいですから、今回は期待して良いと思います。